日本消化器内視鏡学会雑誌
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2年間内視鏡的に経過観察した胃型分化型進行胃癌の1例
藤澤 貴史阪本 哲一坂口 一彦黒田 祥二大西 裕池原 久朝寺西 哲也前田 光雄西上 隆之
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2002 年 44 巻 9 号 p. 1692-1698

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抄録

 患者は86歳,.女性.1993年1月貧血精査のため胃内視鏡検査を施行,幽門前部小彎にIIa+IIc様の病変を認め,20カ月後にIIc+III型類似進行癌を経て,26カ月後の1995年3月にはIIa+IIC類似進行胃癌に進展した.幽門狭窄による嘔吐を主訴に当科に入院となり,胃幽門側亜全摘出術を施行した.病理組織学的には粘膜内は胃腺窩上皮類似の超高分化型腺癌が絨毛状に発育し,深部は漿膜まで浸潤していた.以上,IIa+IIC類似進行癌,tub1,T3(SE),INFβ,ly1・VO,pNO,45×30mmの進行胃癌と診断した.粘液組織染色所見ではMUC2染色陰性,CD10染色陰性,HGM染色陽性で,腺窩上皮型完全胃型腺癌であった.臨床病理学的検討および2年間の内視鏡的形態変化も含めて報告する.

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