園芸学研究
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栽培管理・作型
トマトの生長点―開花花房付近の局部加温が植物体表面温度および収量関連形質に与える影響
河崎 靖鈴木 克己安場 健一郎川嶋 浩樹佐々木 英和高市 益行
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2010 年 9 巻 3 号 p. 345-350

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抄録

施設園芸における消費燃料の削減のため,冬季に施設内で栽培したトマトの生長点―開花花房付近を小型の電気温風機で局部的に加温し,植物表面の温度を熱画像装置でモニタリングすると同時に収量関連形質に及ぼす影響を調査した.温室の最低夜温8℃の条件下で局部加温処理を行い,強加温(生長点の表面温度がおよそ13℃),弱加温(同11℃),および局部加温なしの処理区間で比較をした.熱画像解析により,本試験での局部加温処理によって生長点―開花花房付近が高温となる一方で,植物体下部は比較的低温で推移した.また,局部加温の影響は品種によって異なったが,生長点付近の平均夜温がおよそ13℃までは,加温温度が高くなるに従い花粉稔性および着果率が高まり,開花間隔の短縮がみられた.また‘桃太郎はるか’における可販果収量は局部加温により増加した.

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© 2010 園芸学会
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