日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
成人T細胞性白血病大腸浸潤症例5例と本邦報告例の文献的考察
大仁田 賢磯本 一水田 陽平山崎 和文伊津野 稔原口 増穂鬼塚 康徳竹島 史直村田 育夫河野 茂
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 53 巻 6 号 p. 358-363

詳細
抄録

大腸浸潤をきたした成人T細胞性白血病(ATL)の5症例を経験した.男性4例,女性1例で,平均58歳であった.病型は急性型が3例,リンパ腫型が2例であった.大腸浸潤の画像所見は,多発隆起性病変が4例,びまん浸潤型が1例であった.いずれも胃や小腸への浸潤も合併しており,4か月から1年9か月後に死亡した.自験5例を含む本邦報告31例の臨床的検討でも,大腸浸潤は多発する隆起性病変が18例,多発性潰瘍・びらんが5例と病変が多発するものが大半を占め,びまん浸潤型は6例のみであった.96%に胃や小腸への浸潤をきたしており,予後は平均7か月と不良であった.消化管の検索はATLの病態把握に有用と思われた.

著者関連情報
© 日本大腸肛門病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top