2006 年 59 巻 2 号 p. 101-105
近年,虚血性大腸炎(ischemic colitis:IC)の若年発症例や再発例の報告が増加している.我々は,ICと診断された65例中,アンケート,面談,電話にて追跡調査が可能であった58例について,再発率と再発例の臨床的特徴を検討した,その結果,58例中10例に再発が認められ,再発率は17.2%であった.再発群は非再発群より有意に年齢が若く,便秘を高率に合併し,全例一過性型でほぼ同部位再発であるという特徴を有していた.また,基礎疾患の合併や腹部手術歴に差は認められなかった.従来,ICの再発は基礎疾患や腹部手術歴を有する高齢者にみられるとされてきたが,IC再発例の臨床像の見直しが必要と考えられた.