抄録
音の残響時間の違いによる不快感をファジィAHP法を使い, 残響時間の異なる5つの軽量床衝撃音で分析した。先ず, 残響時間の異なる大きさが同じの5つの軽量床衝撃音を組合せて10組録音した。次に, これらの残響音に対する不快感が形容詞対で説明できると仮定して, SD法で得られた10対の形容詞対により, 音の不快感の比較評価を音の大きさを被験者耳元で75dB (A) として, 16名の男性で行った。この比較評価結果をファジィAHP法で分析した結果, 以下のことが分析された。
1) 残響が極端に長い音, 短い音で不快感が増した。
2) 不快感が増す要因として, 音の感情的な因子, 規則的な因子があげられた。