日本外科系連合学会誌
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症例報告
脾に限局したサルコイドーシスの1例
松尾 彰宣倉本 正文藏元 一崇久原 浩史池嶋 聡馬場 秀夫島田 信也
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2008 年 33 巻 5 号 p. 795-798

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抄録

 症例は51歳の女性,健診で胆石を指摘され,精査目的で当院へ紹介された。腹部MDCTにて脾に造影効果の低い多発性腫瘤影を認めた。血液生化学的には特に異常所見を認めず,胸部CTでも肺病変や肺門リンパ節腫大は認めなかった。悪性リンパ腫などを含めた確定診断のため,腹腔鏡補助下脾摘術を施行した。肉眼所見では脾臓に約2cm大の黄白色の結節が多発しており,病理組織学的にはラングハンス巨細胞を含む類上皮細胞肉芽腫よりなる結節であり,PAS染色,Ziehl-Neelsen染色にて好酸菌や真菌などを認めず,脾サルコイドーシスと診断した。サルコイドーシスは肺門リンパ節,肺,皮膚などに多く,脾病変のみで発見されることは稀である。今回,脾臓に限局したサルコイドーシスの1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する。

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© 2008 日本外科系連合学会
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