日本外科系連合学会誌
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胃切除後胸部食道癌における右結腸再建例の検討
三松 謙司天野 定雄大井田 尚継加納 久雄久保井 洋一金田 英秀川崎 篤史菅 優
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2004 年 29 巻 2 号 p. 197-201

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抄録

【目的】胃切除後食道癌に対する右結腸再建について自験例9例を検討した, 【対象】胃切除術後の胸部食道癌で右側結腸再建術を施行した9例を対象とした。既往手術としては, 胃潰瘍による広範囲胃切除術6例, 胃癌による幽門側胃切除B-I再建例3例であった。【方法】手術は全例とも右開胸開腹にて施行した。血管吻合は頸部食道回腸吻合後に施行し, 使用する血管は症例により適宜決定した。縫合不全の発生を胃切除の既往疾患, 再建経路, 血管吻合の有無により検討した。【結果】縫合不全は9例中4例に認められた。既往疾患別では胃潰瘍6例中1例に対し, 胃癌は3例全例に縫合不全を認めた。胃潰瘍症例は血管吻合非施行例, 胸骨後式再建例で縫合不全を認めなかった。胃癌症例は再建経路, 血管吻合の有無に関わらず縫合不全を認めた。【結語】胃切除後食道癌症例では, 既往疾患としての胃癌が, 再建経路や頸部血管吻合の有無に関わらず縫合不全のリスクであると考えられ, 胃癌術後の再建方法は左結腸再建が良い可能性があると考えられた。

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