日本消化器外科学会雑誌
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総胆管切開と乳頭ブジー操作後の経時的な胆管内圧と胆汁ドレナージ量の変化
吉田 順一岸川 英樹千々岩 一男赤澤 宏平田中 雅夫
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1994 年 27 巻 5 号 p. 1028-1032

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抄録

総胆管切開と十二指腸乳頭ブジー操作後の胆管内圧の変化をみるため, 総胆管切開兼ブジー操作群 (n=9) と胆嚢摘出兼経胆嚢管ドレナージ群 (n=9) の間で術後7日間の胆管内圧と胆汁ドレナージ量を比較した, まず背景因子の14項目を比較したところ, 総胆管径のみに有意差があった.この因子と群別, 日数, 群別と日数の交互作用を独立変数に, 内圧と胆汁量を従属変数にして回帰分析を行った.また各群で日数に対する従属因子を2次式で回帰した.
内圧は経時的にブジー群で若干有意に上昇した.ブジー群では次の回帰式が得られた.内圧=-0.047 (日数-7.5) 2+10.4 (cmBile) また胆汁量はブジー群で有意に上昇した.
以上より, 総胆管切開とブジー操作の後は, 胆嚢摘出のみの後より内圧が上昇し, 第7.5日にピークとなった.この所見は総胆管切開後の胆道減圧に示唆を与えた.

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