日本消化器外科学会雑誌
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メッケル憩室頸部捻転壊死による穿孔性腹膜炎の1例
福田 直人大久保 賢治依田 浩平伊東 重義小澤 幸弘杉山 貢
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1995 年 28 巻 3 号 p. 729-733

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抄録

メッケル憩室頸部捻転壊死による穿孔性腹膜炎の1例を経験したので報告する.症例は32歳の男性で下腹部痛で発症.急性腹膜炎の術前診断で開腹したところ, 回盲弁より50cm口側の回腸側壁に8.5×5.0cmのメッケル憩室を認め, 頸部で時計方向に360度捻転して壊死に陥っていた.体部に径2mmの穿孔があり腹膜炎を併発していたため, 回腸部分切除と腹腔ドレナージを実施した.
メッケル憩室の合併症として捻転壊死はまれであり, 本邦では自験例を含めて9例の症例報告を認めるのみである.いずれも長さ6cm以上 (平均11.5cm) の比較的大きな憩室であり, さらに大きさにくらべて頸部が狭小であることが捻転発生の解剖学的要因として重要であると考えられた.

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