日本消化器外科学会雑誌
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示唆に富む内視鏡像を呈した壊死型虚血性大腸炎の3例
村上 雅彦清水 喜徳普光江 嘉広鈴木 和雄草野 満夫相田 貞継新井 浩士李 雨元
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1995 年 28 巻 5 号 p. 1129-1133

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抄録

壊死型虚血性大腸炎の3例を経験し, 特徴的な内視鏡像が観察されたので報告する.症例1;84歳の男性.症例2;77歳の女性.症例3;59歳の男性.いずれも下血にて発症したが, 腹部所見に乏しかった.いずれも発症12時間以内に大腸内視鏡検査が行われ, 広範な全周性, 多発性の粘膜下血腫像が観察された.症例1は, 5日後MOFにて死亡.症例2, 3は, 5~7日の安定期の後, 腹膜刺激症状が出現し緊急開腹術施行したが, 症例2はMOFにて死亡した.摘出標本では, 上記内視鏡所見が観察された部位に一致して広範な粘膜剥離が認められた.
以上より, 全周性, 多発性粘膜下血腫像は, 粘膜剥離の前所見としての可能性が高く, その範囲によっては手術療法を決定する一要素になると思われた.

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