日本消化器外科学会雑誌
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胃原発扁平上皮癌の1例
青木 貴徳中西 一彰上泉 洋高木 知敬宮田 睦彦山城 勝重
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1996 年 29 巻 3 号 p. 727-731

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抄録

胃原発の扁平上皮癌の1例を経験した. 症例は73歳の男性. 主訴は心窩部不快感で, 上部消化管X線造影および内視鏡検査にて, 胃体中下部後壁大轡に2型の腫瘍を認め, 幽門側胃切除D2を施行した. 手術所見は, T3H0P0N1 (+), 肉眼的進行程度IIIaであった. 病理組織所見は腺癌成分を全く認めない扁平上皮癌であった. 深達度はt2 (ss), n0で, 総合的進行程度Ib, 総合的根治度Aであった. 手術後1年3か月経った現在再発の兆候を認めない. 胃原発扁平上皮癌は, 胃癌切除例中0.09%とまれな疾患であり, 文献的考察を含め報告する.

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