日本消化器外科学会雑誌
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S状結腸間膜原発平滑筋肉腫の1例
岡田 恭穂鈴木 幸正中川 国利桃野 哲
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2004 年 37 巻 10 号 p. 1668-1673

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抄録

S状結腸間膜原発の平滑筋肉腫の1切除例を経験したので報告する. 症例は50歳の女性で, 健診で左側腹部腫瘤を指摘された. 左卵巣腫瘍を疑われ, 当院に入院した. 左下腹部に14cm大の辺縁不整・弾性硬の腫瘤を触知した. USでは左卵巣近傍に低エコーの腫瘤像を, CTでは子宮左頭側に14×13×8cmの不整形腫瘤とダグラス窩に腹水を認めた. MRIで腫瘤は, T1強調でlow, T2強調では辺縁部はlow, 内部はhigh intensity を示した. 開腹したところS状結腸間膜に腫瘤が存在し, 左卵巣と癒着していたため卵巣と共にS状結腸を切除した. 明らかな転移や腹膜播種を認めなかった. 病理学的に腫瘍は, 紡錘形細胞の密な増殖が主体で, 異型大型核と細胞分裂像を認めた. なお免疫染色ではα-SMAおよびdesmin陽性で, 平滑筋肉腫と診断した. 術後5か月現在, 全身状態は良好で, 外来にて経過観察中である.

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