日本消化器外科学会雑誌
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血小板減少を呈した巨大脾過誤腫の1例
岡田 憲幸小倉 靖弘小林 裕之寺嶋 宏明和田 道彦正井 良和宮原 勅治橋本 隆細谷 亮梶原 建熈
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2006 年 39 巻 10 号 p. 1598-1603

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抄録

血小板減少を呈した巨大脾過誤腫の1例を経験したので報告する. 症例は24歳の男性で, 2005年3月全身倦怠感があり, 血小板減少を指摘され紹介された. 骨髄生検で造血系腫瘍は否定され, 腹部CTで巨大脾腫瘍による血小板減少と診断された. エコーで腫瘍は脾臓のほぼ全体を占め, 内部不均一であり, 腫瘍内に血流シグナルを認めた. 単純CTではまだらな低吸収域, 造影CTでは腫瘍実質と考えられる高吸収域内に低吸収域がモザイク状に多発していた. MRIではT1強調でムラのある低信号, T2強調で高信号の中に高~低信号の結節を多数認めた. 以上より, 脾腫瘍内に血栓が多発しているものと考え脾臓摘出術を施行した. 摘出標本では大部分が腫瘍と器質化した血栓で占められており, 重量2,650g, 大きさ22×17×12cmで, 病理診断は赤脾髄型過誤腫であった. 本腫瘍は脾過誤腫としては, 文献で調べうるかぎり最大の大きさであった.

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