抄録
小児泌尿器科疾患における画像診断の進め方について,腎尿路系疾患の主な発見の契機である尿路感染症と先天性水腎症を中心にまとめた。いずれにおいても低侵襲で安全な超音波検査を適切に行うことが基礎疾患の発見,治療方針の決定に有効である。尿路感染症の再発防止には,膀胱尿管逆流症の有無をみるための検査が必要不可欠であり,排尿時膀胱尿道造影は小児科においても躊躇なく行われることが望ましい。また,RI検査は形態および機能的な評価に有用で,目的に応じた核種の使い分けが大切である。さらに無症候性水腎症においては分腎機能の推移が手術適応の決定因子となることが多く,RI検査の結果が方針を決める鍵となる。