日本胸部疾患学会雑誌
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「呼吸筋セントラルコア」の発現時期の検討
野崎 博之石原 傳幸高嶋 修太郎浦野 哲哉豊田 丈夫青柳 昭雄
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1992 年 30 巻 5 号 p. 851-855

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抄録

神経筋疾患を除外した連続成人剖検例53例を対象として, 「呼吸筋セントラルコア」の有無と労作時呼吸困難・呼吸不全の有無およびその持続期間について検討した. 結果はセントラルコア陽性例38例, 陰性例12例, 判定不能3例であった. 対象患者のセントラルコアの有無と性別ならびに年齢の間には関連は認められなかった. セントラルコア陽性例は労作時呼吸困難出現後1ヵ月以上経過したものが大部分で (81.8%), 陰性例は3ヵ月以内 (100%) であった. また死亡前に動脈血液ガス分析を十分検討し得た症例に関しては, 呼吸不全が3ヵ月以上経過した全例にセントラルコアが認められた. 今回の検討では「呼吸筋セントラルコア」が労作時呼吸困難出現後1~3ヵ月以内に出現していた.

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