日本臨床外科学会雑誌
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症例
空腸瘻より経鼻内視鏡を用いて採石した肝内結石の1例
三澤 俊一鬼頭 秀樹
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2009 年 70 巻 5 号 p. 1471-1475

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抄録

今回われわれは直径6mmの細径経鼻内視鏡を用い,空腸瘻から吻合部に到達し,バルーンにて拡張し採石しえた胆管空腸吻合部狭窄・肝内結石の1例を経験したので報告する.
症例は71歳,男性.平成19年に他院にて胆石,胆嚢炎にて腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行された際,術中に総胆管を損傷したため開腹手術にて胆嚢摘出術および胆道再建術として胆管空腸吻合術を施行された.以後数回胆管炎繰り返し,肝内胆管の拡張も認めたため,吻合部狭窄が疑われた.最も侵襲の少ない方法であることから,空腸瘻からの内視鏡的アプローチによるバルーン拡張術を施行し,吻合部の拡張を行った.術後は経過良好であり,以降他院外来通院中であるが明らかな胆管炎の再発は認めていない.

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© 2009 日本臨床外科学会
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