日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
後腹膜鏡下腎部分切除術に合併したcapno-thoraxの1例
宮本 義久加藤 浩子
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2005 年 25 巻 4 号 p. 364-367

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抄録
  体腔鏡下手術における気胸は比較的まれな合併症であるが, ときには重篤な低酸素血症, 循環動態の破綻をきたす可能性もあり, 注意を要する. 後腹膜鏡下腎部分切除術で麻酔からの覚醒時に発症し, 数時間の経過で速やかに改善したcapno-thoraxの1例を経験した. 二酸化炭素は窒素に比べ溶解度が高く, 通常の空気による気胸と異なり速やかな改善が期待されることから, 循環動態, 呼吸状態の安定している症例においては, 侵襲的治療を必要とせず保存的治療が妥当であると考えられた.
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© 2005 日本臨床麻酔学会
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