日本臨床麻酔学会誌
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ロピバカインの上手な使い方(第2回)
新生児・乳児・幼児手術におけるロピバカインの臨床使用の実際
田中 裕之
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2009 年 29 巻 5 号 p. 718-723

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抄録

  ロピバカインは下肢の運動麻痺を発生する頻度が低く, 心血管系や中枢神経系の副作用が少ないという特徴があり, 小児でも有用である. 新生児や乳児では, 神経線維内で局所麻酔薬が浸透しやすく, 筋膜や神経鞘の神経幹との付着が疎であるため, 局所麻酔薬が拡がりやすい. 一般的な濃度は0.2%で, 投与量は最大で3mg/kgである. 末梢神経ブロックでは0.5%が使用されることがある. 6ヵ月未満の乳児ではクリアランスが低く, α1酸性糖蛋白が低いので蛋白非結合型のロピバカインが増加しやすい. 局所麻酔薬中毒を生じる危険性があるので減量すべきである. 鎮静下あるいは全身麻酔下に投与されることが多いので, 安全基準に従って投与することが重要である.

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© 2009 日本臨床麻酔学会
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