抄録
医学部3, 4年生の医学教育は主として座学形式による講義で行われるが, 臨床医学をはじめて学び, 臨床実習に向けて訓練が必要な彼らにとってはシミュレータを用いた実践講義が有効と思われる. しかし実践講義は, よいシミュレータがない, シミュレータが足りない, 教官が足りないなどの理由でさほど行われないのが現状である. 今回, 気道確保法のシミュレータを用いたハンズオンの実践講義を行ったが, 当施設にはシミュレータが比較的充足しており, また教官不足を補うために4年生が3年生を教える方式をとることで有効に実践教育が行えた. アンケート調査では学生からの評判もよく, 彼らが実践講義を望んでいることが明らかになった. 医学部中間学年の学生にこそ実践講義が重要と考える.