園芸学会雑誌
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グラジオラス花被の生長に伴う水分生理,炭水化物含量および酸性インベルターゼ活性の変化
山根 健治河鰭 実之崎山 亮三
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1991 年 60 巻 2 号 p. 421-428

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抄録
グラジオラス切り花の小花の生長に伴う花被内の水分生理, 炭水化物含量および酸性インベルターゼ活性の変化について調べた.
1.花被の長さの相対生長速度は開花直前にピークをもち, 開花を開始すると低下し, 満開になるとほぼ0になった.
2.花被の組織の膨圧は, 花被の細胞の肥大生長が盛んな時期に高い傾向があった.
3.フルクトースとグルコースが主な可溶性糖であり, 浸透ポテンシャルの維持に寄与していると考えられた.
4.花被の酸性インベルターゼ活性はしおれたステージを除いて, 花被の長さの相対生長速度と正の相関があった.
5.小花に含まれるデンプンは, 花被の初期の生長段階に可溶性糖の供給源として寄与していると考えられた.
6.花被がしおれるときに, 花被から他の器官への糖の再転流が起こっている可能性が示唆された.
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