白金, ニッケルおよびパラジウム多結晶箔 (はく) 上でCOの水素化反応を行った。本反応の活性および選択性は水素還元処理の繰返し, およびその温度によって著しく変化した。X線回折および電子線後方散乱スペクトル測定の結果, 水素還元処理によって多結晶箔中の結晶子サイズと優先方位が変化していることが明らかとなった。
白金箔上では, 主な生成物はメタンとメタノールであり, これらの生成速度は水素還元処理の繰返しによって増大した。一方, ニッケル箔上ではC1からC4炭化水素が主な生成物であり, これらの生成速度は箔の厚みによって大きく変化した。また, パラジウム箔の場合, メタノールとアセトアルデヒドが主生成物であった。いずれの触媒の場合も, 結晶子のサイズと方位の変化が触媒活性に対応していることから, 金属多結晶の結晶方位が活性の支配因子であると結論した。