日本臨床免疫学会会誌
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原発性シェーグレン症候群における血球異常の臨床的検討
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2000 年 23 巻 2 号 p. 124-128

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抄録

シェーグレン症候群(SS)は外分泌腺の慢性炎症を主体とする自己免疫疾患であるが,多彩な腺外症状を呈す.血球異常の合併は稀ではないが,臨床上問題となることは少ない. 1989年から99年に外来受診した原発性SS 99人の血球異常を検討した.平均年齢は54.1歳,女性95人,男性4人.リンパ球減少35人(35.3%), 白血球減少26人(26.2%), 血小板減少7人(7.1%). 43人(43.4%)でいずれかの異常を認めた.リンパ球減少群では有意に関節症状が低率で,抗SS-A/B抗体陽性率が高かった.リンパ球減少群1例で多関節炎,全身倦怠感のためプレドニゾロン投与したが,他の症例は治療を必要としなかった.血小板減少群は有意に低年齢で,男性の頻度が高く,発疹の頻度が高かった.また抗SS-B抗体,抗核抗体,リウマトイド因子陽性の頻度が有意に高かった.血小板減少群3例で特発性血小板減少症に準じた治療を要した.治療例は全例PA-IgG陽性,骨髄像正常であった.血小板減少は多クローン性B細胞活1生化を含む自己免疫機序によると考えた.

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