心電図
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原著
ペースメーカ植込み同胞例に認められた新たなLamin A/C変異
佐野 幹渡邉 英一牧山 武内山 達司祖父江 嘉洋奥田 健太郎山本 真由美堀江 稔尾崎 行男
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2011 年 31 巻 1 号 p. 18-24

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抄録
中間径線維のひとつであるLamin A/Cは,核膜内膜を裏打ちして核膜構造を維持するとともに,遺伝子転写調節や遺伝子発現制御などの機能を有する.Lamin A/C遺伝子(LMNA)は,関節拘縮,骨格筋異常,および刺激伝導障害に伴う拡張型心筋症を3主徴とするEmery-Dreifuss型筋ジストロフィーの責任遺伝子として報告された.その後,関節拘縮や骨格筋異常を有さないものの,拡張型心筋症に刺激伝導障害を合併した症例にLMNA変異を認めることが報告され,Lamin関連心筋症とよばれる.本疾患は心不全に加え,心室性頻脈性不整脈による突然死が多いのを特徴とする.今回,われわれは,徐脈性不整脈の治療目的にペースメーカを植込まれた3同胞(ペースメーカ植込み時平均年齢49.6歳,男性:女性=1例:2例)に遺伝子検索を行い,新たなLMNA変異(Q258X)を認めたため,文献的な考察を加えて報告する.
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© 2011 一般社団法人日本不整脈心電学会
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