心電図
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Editorial
原著
  • 海野 貴史, 信田 祥子, 若狭 伸尚, 伊勢澤 真里子, 関口 芳恵, 蜂谷 仁
    2024 年 44 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 2024/03/22
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    【はじめに】クライオバルーン肺静脈隔離術(CBPVI)治療中のBalloon deflation(B-def)前後の脳血流速度・波形の変化について分析した.【対象・方法】対象はCBPVI治療を受けた30例.経頭蓋超音波ドプラ(TCD)検査装置を用い,術中片側中大脳動脈(MCA)モニタリングを行った.【結果】B-def後,19(12~28)秒で血流速度は最大変化を認め,脳血管抵抗を評価する拍動係数(PI)と収縮期最大血流速度は上昇した.また,このとき心拍数に変化はなく,末梢血管収縮を評価する拡張末期血流速度が低下することで,平均血流速度も低下した.血流速波形もdecreasing diastolic patternへと変化した.その後,PIは32(19~48)秒で脳血流速度・波形共にB-def前まで回復した.【考察】PI上昇の要因として,冷却血液による末梢血管収縮と循環反射による末梢血管収縮が考えられた.【結語】TCD分析の結果より,B-def後にはMCA末梢に一過性収縮が生じた可能性が示唆された.

症例
  • 岡田 修一, 内藤 滋人, 江連 雅彦, 長谷川 豊, 山田 靖之, 星野 丈二, 中村 絋規, 佐々木 健人, 森下 寛之, 関 雅浩, ...
    2024 年 44 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2024/03/22
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    症例は54歳女性.26年前に他院で大動脈弁閉鎖不全症に対して機械弁による大動脈弁置換術を施行され,完全房室ブロックを合併してペースメーカ植込み(VVI)術を併施された.前医で7ヵ月前にペースメーカ本体の交換を施行された際にポケット感染を合併した.創部を切開し排膿しDebridementを行い,抗生剤投与で保存的加療を行っていたが,血液培養でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認める敗血症性ショックになった.さらに,右前頭葉に限局したクモ膜下出血を合併した.脳神経症状の後遺症を認めることはなく経過した.精査で人工弁感染性心内膜炎,バルサルバ洞右房瘻,ペースメーカリードに疣贅の付着を認めた.脳出血合併10日後に,脳出血の軽快を確認して手術目的に当院に搬送となった.Debidementが施行された左鎖骨下創はペースメーカが露出していたが,排膿は認めていなかった.緊急手術(エキシマレーザーによるリード抜去,疣贅摘除,感染人工弁摘出,弁輪部膿瘍掻把,感染によるバルサルバ洞-右房短絡修復,再大動脈弁置換,心外膜リード縫着)施行,術後12日目に人工呼吸器離脱,術後23日目にICUを退室した.感染の再燃を認めることなく,術後68日目にリハビリ目的に前医へ転院となった.

Communication
  • 脇田 亜由美, 佐藤 綾乃, 洞垣内 拓也, 長瀬 弘行, 奥村 一史, 大坪 克浩, 新田 功児, 浅井 徹, 梅本 紀夫
    2024 年 44 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2024/03/22
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    近年,ペースメーカの植込み件数は横這いであるが,ICD,CRT-P,CRT-Dの植込み件数は増加傾向にある1).それに伴い,心臓植込み型電気デバイス(cardiac implantable electronic device:CIED)患者の管理は増加の一途を辿り,デバイス外来を逼迫している施設も多い.遠隔モニタリングシステムは安全に外来受診回数を減らし,かつ不整脈イベントやデバイスの不具合を早期発見することなどにより,予後を改善することが示されている2), 3).しかし,増加するアラートへの対応は臨床工学技士の日常業務を逼迫させる原因となっている.そこで我々は,アラートへの迅速な対応を可能とし,さらに臨床工学技士,医師などの医療スタッフの負担を軽減することを目的とした標準作業手順=SOP(standard operating procedure)を作成し,円滑な管理を行っているため,ここで報告する.

追悼
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