Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
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症例報告
Mohsペーストの塗り方を改良したMohsガーゼ法が有用であった転移性皮膚腫瘍の1例
中西 敏博武内 有城伊奈 研次長尾 清治
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2011 年 6 巻 1 号 p. 324-329

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抄録

Mohsペーストは塩化亜鉛を主成分とする組織固定剤で, 皮膚腫瘍のchemosurgeryに応用されている. 近年, 緩和医療分野でも, 切除不能な皮膚浸潤・転移巣の悪臭などの症状コントロールにおいて有益性が高いとされている. わが国で広く使用されているMohsペーストは, 重山らが提唱した塩化亜鉛と亜鉛華デンプンの混合物にグリセリンを添加して調製するが, 粘度が高く粘着性もあるため, 塗りにくいという問題がある. われわれは, Mohsペーストを短冊ガーゼにからませて患部に貼付する方法と, ガーゼに塗って患部に貼付する方法の2つのMohsガーゼ法を考案し, 出血や悪臭, 浸出液のコントロールに難渋した胃がんの皮膚転移巣の症例に有用であった. この方法は, 従来のMohsペースト塗布方法と固定効果に差を認めず, Mohsペーストの塗りにくさの問題を解決することができ, 処置時の苦痛を軽減することが可能であった. Palliat Care Res 2011; 6(1): 324-329

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© 2011 日本緩和医療学会
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