Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
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原著
短報
症例報告
  • 前倉 俊也, 相木 佐代, 櫻井 真知子, 吉金 鮎美, 田宮 裕子, 八十島 宏行
    2025 年 20 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/11
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    緒言:オピオイド離脱症候群では自律神経症状や精神症状が出現する.今回,がん疼痛に対してヒドロモルフォンを投与していた患者が離脱症候群と類似した精神症状を認め,徐放製剤の分割投与を行うことで症状が改善した症例を経験した.症例:60歳女性.左乳がん術後,腰椎転移再発に伴う疼痛に対してヒドロモルフォン,非オピオイド鎮痛薬,鎮痛補助薬,神経ブロックによる治療を行っていたがヒドロモルフォン徐放製剤の定期内服前に不安やいらいら,静座不能といった症状が出現するようになった.定期内服から数時間後には改善していたことからオピオイドの血中濃度低下の影響を考え,同薬剤を1日2回の分割投与に変更したところ,症状は劇的に減少した.結論:オピオイドの内服中に離脱症状に類似した精神症状を呈した場合は,血中濃度低下の影響を考え,分割投与などの調整を行うことで症状緩和が得られる可能性がある.

総説
  • 鈴木 梢, 片山 英樹, 小原 弘之, 松田 能宣, 合屋 将, 角甲 純, 笠原 庸子, 森 雅紀, 中山 健夫, 渡邊 紘章, 山口 崇
    2025 年 20 巻 2 号 p. 95-102
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル オープンアクセス HTML
    電子付録

    目的:がん患者の呼吸困難へのコルチコステロイド全身投与の有効性を検討する.方法:CENTRAL, MEDLINE, EMBASE, 医中誌を用い,2019年9月23日までに発表された全文献を検索した.主要評価項目は,患者報告による呼吸困難強度,副次評価項目は生活の質(quality of life: QOL),せん妄,重篤な有害事象とした.結果:4263件中2件の無作為化比較試験を採用し,メタ解析を行った.コルチコステロイド群はプラセボ群より有意に呼吸困難を軽減した[平均差:−0.71, 95% confidence interval (CI): −1.4~−0.03].2件中1件は肺病変を伴うがん患者を対象とした試験だった.QOLとせん妄のメタ解析はデータ不足により実施できず,重篤な有害事象の発生率に有意差を認めなかった(相対発生率:0.96, 95%CI: 0.19~4.93).結論:コルチコステロイドはがん患者の呼吸困難に有効である可能性があるが,その適応は限定的である可能性がある.

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