1984 年 10 巻 6 号 p. 744-750
濾布上に集塵捕集した粉塵層に対し, 衝突加速度により捕集面に払い落とし応力を作用させ, 払い落とし実験を行った.濾布は, 汎用のカレンダー処理を施したテトロン製フエルトを用い, JIS8種の関東ローム粉を, 4.5cm/sの一定風速で集塵した.衝突加速度は, 落下高さにより変えた.実験は, 集塵条件 (捕集粉塵量), 払い落とし条件 (衝突加速度) をパラメータとして行った.
結果より, 剪断方向と垂直方向による払い落としでは, 集塵条件, 衝突加速度が同じにもかかわらず, 払い落とし開始条件, 進行過程, 最終状態が異なる事を明らかにした.さらに, 剪断, 垂直方向の払い落としを組合せた実験を行うと, 組合せ方により払い落としに与える効果が異なる事も明らかにした.以上の結果のうち, 特に粉塵層が一様な層を形成する集塵条件による払い落とし結果は, 粉体層の引張りおよび剪断疲労破壊現象の観点より, 定性的に説明する事ができた.