化学工学論文集
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編集ノート
移動現象,流体工学
  • 相田 真男, 庄野 厚
    原稿種別: 報文
    2021 年 47 巻 5 号 p. 125-131
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    粒子巻き込み限界回転数の推算に使用されるTakahashi and Sasaki(1999)の装置形状定数Gに関する汎用相関式を提案した.放射流型翼(ディスクタービン),下吐出軸流翼(傾斜パドル,プロペラ),上吐出軸流翼について異なる相関式が得られた.Gは動力数Np,相当径D,翼径d,静止液面から翼上端までの距離htおよび角型槽の補正係数ηで相関された.

    Gを用いて試算した結果,放射流型翼および下吐出軸流翼の場合,d/Dが大きいほど,ht/Dが小さいほど低動力で粒子を巻き込むことができた.上吐出軸流翼の場合,逆にd/Dが小さいほど低動力で粒子を巻き込むことができ,動力を最小にするht/Dが存在した.提案した相関式を使用することにより,工業的邪魔板条件の円筒槽および角型槽のGを精度良く推定することができた.

  • 三浦 和也, 門叶 秀樹
    原稿種別: 報文
    2021 年 47 巻 5 号 p. 132-139
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    直交型の複合対流熱伝達の現象を明らかにする第一歩として,異なる流路断面縦横比を有する水平矩形流路の底面のみを加熱面とし,伝熱実験および数値解析の双方から検討した.複合対流熱伝達におよぼす自然対流の影響を評価するため,流路上面のみを加熱することで浮力流の影響を排した純強制対流熱伝達の測定を行った.その結果,層流域において伝熱実験および数値解析結果から純強制対流の実験式を提出した.複合対流熱伝達の測定は,レイノルズ数およびグラスホフ数を種々変化させて行った.その結果,測定した全レイノルズ数域で熱伝達が促進されることがわかった.詳細には,極めて低いレイノルズ数において,流路断面縦横比およびグラスホフ数の変化による熱伝達係数への影響はほとんど見られないが,レイノルズ数が増化するにつれ,縦横比が小さいほど熱伝達係数は低下した.また,この傾向はグラスホフ数が小さい程顕著になることが確認できた.乱流域では,熱伝達係数はいずれの縦横比およびグラスホフ数の条件でも純強制対流熱伝達の結果に漸近することがわかった.以上の結果になる要因を数値解析で得られた流路断面の温度分布とフローパターンの変化から定性的に説明した.

  • 大平 勇一, 島津 昌光
    原稿種別: ノート
    2021 年 47 巻 5 号 p. 140-142
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    藍藻Spirulina platensisの比増殖速度におよぼすSOT培養液濃度の影響を明らかにするため,SOT培養液の濃度を0.050–5.0倍として培養を行った.SOT培養液の濃度を4.0倍以上にした培養液で培養した場合,S. platensisの比増殖速度は小さくなった.また,SOT培養液を希釈して濃度を0.40倍以下にした場合,S. platensisの比増殖速度は小さくなった.

熱工学
  • 秋元 良祐, 山木 雄大, 鈴木 泰彦, 中岩 勝, 松田 圭悟
    原稿種別: 報文
    2021 年 47 巻 5 号 p. 143-147
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    温度373 K程度の温泉熱を対象にアンモニア/水系の作動流体を用いた20 kW以下のマイクロ・カリーナサイクルの適用可能性をモデルベースで検討した.本検討では,対象とした高温側の熱源条件353–393 K, 10,000 kg/hの温熱水において,15–24 kWの発電が可能であることを明らかにした.また,対象とした熱源条件においてマイクロ・カリーナサイクルはローレンツサイクル特有の温度勾配を示し,これまで検討がなされて来なかった20 kW以下の発電において有機ランキンサイクルよりも発電量が50%程度増加する可能性を見出した.

プロセスシステム工学,安全
  • 柚木 健一
    原稿種別: 報文
    2021 年 47 巻 5 号 p. 148-160
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    モデルベースの異常診断(FDI, Fault Detection and Isolation)はプロセスの数学モデルに基づく手法で,その中でもフィルタ型に分類される手法の基本原理は,未知入力オブザーバ(UIO, Unknown Input Observer)を用いた実機出力の推定誤差の監視である.UIOの特徴はプロセスモデリングの誤差に対するロバスト性にあり,FDIの精度向上に重要な役割を果たす.しかしその適用条件は厳しく,システム同定モデルには適用困難である.そのほかにも実用化の点ではFDIの自動化が避けて通れないものの,既往の研究は診断精度の向上が中心で,この点は見過ごされてきた.本研究はこれらの課題に対して,システム同定モデルをベースとした測定端と操作端のFDI手法およびこれを測定ノイズにロバスト且つプラントワイドに自動実行する,異常診断フィルタを提案する.提案の有効性は酢酸ビニルモノマー製造プロセスのシミュレータで実証し,大規模プロセスを分割してシステム同定して各モデルを組み合わせることで,プラントワイドなFDIが自動実行可能なことを示した.

材料工学,界面現象
  • 花井 健祥, 後藤 健彦, 中井 智司
    原稿種別: 報文
    2021 年 47 巻 5 号 p. 161-168
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    側鎖に塩化物イオンと結合した第四級アミンを有する(3-Acrylamidopropyl)trimethyl ammonium chloride(DMAPAA-Q)モノマーと架橋剤からラジカル重合によりゲルを合成し,廃希土類磁石からのレアアース(REE)回収への応用を検討した.DMAPAA-QゲルにREEイオンと難溶性塩を形成する炭酸イオンまたはシュウ酸イオンをイオン交換によりゲルに担持し回収に用いた.各アニオンを担持したゲルを希土類磁石に含まれるネオジム(Nd),ジスプロシウム(Dy),コバルト(Co),サマリウム(Sm)の硝酸塩溶液に浸漬すると,ゲル内に拡散した各金属イオンがアニオンと反応しゲル内に塩を形成することが示された.また,実際の磁石廃液を想定したNd–Dy混合溶液,Co–Sm混合溶液にゲルを浸漬するとそれぞれの金属イオンの担持したアニオンとの溶解度積の差から回収量に差が生じた.さらに,金属イオン回収量が最大値に達したゲルでもアニオンを再担持することで,再使用できることが明らかになった.以上より,側鎖の第四級アミンに金属イオンと難溶性塩を形成するアニオンを担持した高分子ゲルを用いることで,水溶性の金属イオンをゲル中で反応させて簡便に回収できることが示された.

環境
  • 神谷 憲児, 小林 信介, 板谷 義紀, 中川 二彦
    原稿種別: 報文
    2021 年 47 巻 5 号 p. 169-176
    発行日: 2021/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    本研究では固体酸素担体によるCO2のCO変換を目的とし,安価であるカルシウムフェライトの反応挙動および繰り返しRedox反応における反応耐久性評価を行った.実験では熱質量分析装置および固定床流通式試験装置を用い,カルシウムフェライトを還元ガスH2および酸化ガスCO2と反応させ,反応温度および反応ガス濃度がカルシウムフェライトの酸化・還元反応挙動に与える影響について評価を行った.CO2濃度が高く,反応温度が低い場合,還元担体中のCaOはCO2と反応してCaCO3となるため,カルシウムフェライトは酸素担体としての使用は困難となるものの,CaCO3が生成しない反応温度・低CO2濃度領域ではサイクル数にかかわらず良好な酸化還元性能を示した.カルシウムフェライトは反応前後でカルシウムフェライト構造の変化が確認されたが,繰り返しRedox反応による酸化・還元質量変化はなく,RWGS-CLにおける繰り返し利用が可能であった.固定床流通式試験においてはCO2からのCO変換が確認されるとともに,Redox反応を35サイクル繰り返してもCO2のCO転化率は変化することはなく,カルシウムフェライトはRWGS-CLの固体酸素担体として利用可能であった.

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