化学工学論文集
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水平に置かれた平行電極板の上にある粉体粒子の誘導帯電による飛昇の臨界条件
大久保 豊高橋 由樹
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1996 年 22 巻 1 号 p. 113-119

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抄録

水平に置かれた平行2平板の電極間において, 下方の電極上にある誘導帯電する粉体粒子が飛昇する現象について, 粒子にかかる力を理論的に検討し, 飛昇の臨界条件を明らかにした.
誘導帯電にもとづく電荷量, クーロン力を推定するために, 伝導電流, 変位電流を考慮した平板コンデンサーモデルを導出した.また, 水分による粉体の付着力と重力に, さらにクーロン力を加えて粒子にかかる合力を推算することにより, 飛昇できる粉体は, およそ数μmから数mmの限られた粒子径の範囲をもち, 0.1kV/mm以上の電界の強さに置かれることが必要であること, 粉体の導電率が低いと粒子にかかるクーロン力は小さく飛昇できないが, 水分を加えることにより導電率が高まり, 飛昇しやすくなることを明らかにした.

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