肝臓
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肝外門脈閉塞症による食道胃静脈瘤に対し, 内視鏡的静脈瘤結紮術, 部分的脾動脈塞栓術, 左胃動脈塞栓術の併用療法が有効であった1例
蓮見 桂三鈴木 孝良齊藤 真峯 徹哉
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キーワード: 肝外門脈閉塞症
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2002 年 43 巻 4 号 p. 192-198

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抄録

症例は34歳男性. 黒色便, 貧血の精査加療目的に入院. 上部消化管内視鏡検査で食道胃静脈瘤を認めた. 腹部CT, 超音波検査では肝硬変の所見はなかったが, 肝外門脈は描出されず, 肝門部に多数の数珠状の管状構造と著明な脾腫を認めた. さらに血管造影で肝外門脈の閉塞と著明な求肝性側副血行路の発達を認めた. 以上より肝外門脈閉塞症による食道胃静脈瘤と診断し部分的脾動脈塞栓術 (partial splenic embolization: PSE), 左胃動脈塞栓術 (left gastric artery embolization: LGE) に加え, 食道静脈瘤に対し, 内視鏡的静脈瘤結紮術 (endoscopic variceal ligation: EVL) を施行した. これらの併用療法にて食道胃静脈瘤, 脾機能亢進症の著明な改善を認めた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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