北日本病害虫研究会報
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イチゴのシクラメンホコリダニに対する温湯灌注防除法
水越 亨後藤 昌人
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2004 年 2004 巻 55 号 p. 232-235

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抄録

開花期以後に被害が顕在化したイチゴのシクラメンホコリダニ被害に対し, 温湯を直接イチゴ株に灌注して被害の軽減を図る防除法を開発した. 本法は以下の要領で行う. 灌注には55℃±2℃の温湯を用いる. 灌注作業は, 株のクラウン部分を中心に手灌水の要領で行う. 灌注時間は1株あたり6秒前後が目安である. 本法には農薬のような浸透移行性や残効性はないため, かけむらがないように行う. 処理前には被害の著しい花梗などは取り除いて温湯がかかりやすくしておくと同時に, 処理後の再寄生を起こす発生源は極力取り除いておく. 本処理にかかる労力は薬剤散布の6倍を要する. 比較的高温の温湯を長時間扱うので, 作業は午前中や夕刻などの涼しい時間帯に行う. 本防除法を既に実施している農家では, 果実生産への影響は認められていない.

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