テレフタル酸系ポリエステルについて, その融点の熱処理温度ならびに時間による変動をDSCおよびNMR測定から検討した. 試料ポリエステルの示す融点の前後温度城において熱処理した結果, ポリエステルの融点はいずれの場合も上昇した. これはエステル交換によるランダム配位からブロック配位への転換に起因するものであることを確かめた. また, 融点上昇に関する活性化エネルギーは熱処理温度域により異なり未処理の示す融点 (Tm) 0以下の温度域で大きい値を示す. 更に融点上昇度に及ぼす酸素の影響を追跡した結果, 1, 4-ブタンジオール系ポリエステルの場合は減圧下での上昇度が空気中のそれより大きいことを見いだした. なお, これらのポリエステルの融点は重合温度 (270℃) にまで加熱すると (Tm) 0に復元した.