杏林医学会雑誌
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原著
幼児における音響的骨評価値と体格および生活習慣との関連について
照屋 浩司岩見 文博片桐 朝美眞鍋 知子太田 ひろみ石野 晶子大嶺 智子加藤 英世
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2009 年 40 巻 3 号 p. 34-42

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抄録
幼児を対象として音響的骨評価値(OSI)の測定を行い,体格および生活習慣との関連について分析,考察した。対象は保護者の同意が得られ,測定に同意したA市B幼稚園の園児112名(男児62名,女児50名)である。OSI・身長・体重・体脂肪率の測定,および日常生活習慣に関するアンケート調査を実施した。
OSIと日常生活習慣それぞれとの関連において,除脂肪体重・足のサイズを共変量とした分散分析を実施した結果,要因としての性別,運動習慣,睡眠時間,共変量としての除脂肪体重,足のサイズの影響が有意であった。運動習慣については,運動をしない群で高い骨評価値がみられた。
身長の伸びる時期を骨の脆弱期とした報告もあり,幼児期においても成長の大きい群では骨の発育が間に合わず,結果として好ましくない生活習慣と高い骨評価値に関連がみられた可能性が考えられた。今後は,OSIの経年的な変化に影響をおよぼす要因についても検討を行っていくことが望まれる。
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© 2009 杏林医学会
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