杏林医学会雑誌
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最新号
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特別対談「杏林大学の看護学教育の現状について」
  • 中島 恵美子, 桶川 隆嗣
    2021 年 52 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    コロナ禍の現在,医療現場における看護師の存在は今まで以上に重要なものとなっています。
    看護師を育成する学科を持つ大学は,国内で国公立,私立を合わせると280校以上,高齢化を見据え,今後も新設する大学が増えていくと予想されます。
    杏林大学保健学部看護学科は1994年開校と歴史が古く,2012年には看護学専攻と看護養護教育学専攻に改組され,専攻ごとにそれぞれの教育方針に基づいた看護教育を実施し,独自の特長を築いてきました。このような日々の教職員らの工夫と努力により,長く,受験生やその保護者から人気の高い学科となっています。
    今回,両専攻の教育の現状や教職員の思いを,看護学専攻,看護養護教育学専攻の各学科長に語っていただきました。
    その第1回としまして,看護学専攻の中島恵美子学科長のお話をお伝え致します。

  • 佐々木 裕子, 桶川 隆嗣
    2021 年 52 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    コロナ禍の現在,医療現場における看護師の存在は今まで以上に重要なものとなっています。
    看護師を育成する学科を持つ大学は,国内で国公立,私立を合わせると280校以上,高齢化を見据え,今後も新設する大学が増えていくと予想されます。
    杏林大学保健学部看護学科は1994年開校と歴史が古く,2012年には看護学専攻と看護養護教育学専攻に改組され,専攻ごとにそれぞれの教育方針に基づいた看護教育を実施し,独自の特長を築いてきました。このような日々の教職員らの工夫と努力により,長く,受験生やその保護者から人気の高い学科となっています。
    今回,両専攻の教育の現状や教職員の思いを,看護学専攻,看護養護教育学専攻の各学科長に語っていただきました。
    その第2回としまして,看護養護教育学専攻の佐々木裕子学科長のお話をお伝え致します。

特集「杏林大学医学部の医学教育の変遷」
  • 冨田 泰彦
    2021 年 52 巻 1 号 p. 11
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー
  • 赤木 美智男
    2021 年 52 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    2010年9月,米国Educational Commission for Foreign Medical Graduates(ECFMG)の宣言に端を発したいわゆる「2023年問題」は,日本のすべての医学部が国際的な基準に基づいて医学教育に特化した認証評価を受けるという動きをもたらした。本学は2018年にこの医学教育分野別評価を受審することとし,自己点検をもとに,評価基準に適合するための大規模なカリキュラム改革を含む様々な教育システムの改革を行った。2018年7月に自己点検評価報告書を完成させ,同年10月16日から19日に実地調査を受審した。評価報告書の内容に対して,日本医学教育評価機構(JACME)との間で2回にわたって意見交換を行った後,2020年3月26日付けで評価結果が確定した。
    カリキュラム改革の中心は,従来の47週から66週に臨床実習の期間を延長したことであるが,低学年の授業科目の圧縮などの「副作用」ももたらしたことは否めない。新カリキュラムに則って教育を受けた最初の学年は2022年3月に卒業するが,彼らの卒業時アウトカムと臨床研修修了時アウトカムがどうなるかは注意して評価していきたい。JACMEは,受審済の医学部からの情報収集を十分行い,評価の手順や評価基準の妥当性について,継続的な検証・改善を進めていただきたい。

  • 大木 紫
    2021 年 52 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    PBLチュートリアルは欧米の医療系大学で始まり,より効果的に知識を定着できるシステムとされている。小グループにチューターをつけた問題基盤型学習法で,杏林大学では2004年から実施されている。臨床講義が始まった4年に行われるチュートリアルは,様々な情報からグループで臨床診断を行うものであるが,入学したばかりの1年にはプレチュートリアルと呼ばれる独自のカリキュラムを実施している。プレチュートリアルでは1年の前期に,1つの課題について4回のSGD(小グループ討論)を行い,計2課題について学習する。課題シートでは日常出あうような状況を提示し,そこから自分たちで問題点を見つけ,学習を進める。内容的には,時事問題から最新の知見など,学生の興味を引くような課題の作成に努めている。このプログラムを通して,ディスカッションの仕方,問題点の見つけ方,総合的な考え方,リソースのみつけ方などを学んでもらい,また科学的なレポートの書き方を習得してもらいたいと考えている。2020年度は新型コロナウィルス流行の影響で,今までどおり集まってのSGDが実施出来なかった。しかし逆に,オンライン会議システムを導入するなど,新しいSGDの可能性も見えてきた。チューターの負担,チューター間の違い,課題の偏り,学生の意欲を持続させる方策など問題点もあるが,今後も改良しながらプレチュートリアル教育を行っていきたい。

  • 江頭 説子
    2021 年 52 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    杏林大学医学部の卒前教育における早期体験学習の体系化と行動科学のカリキュラム再編成の過程について解説する。本学では,早期体験学習の目的を「医療の在り方に対する深い理解とその後の学習への動機づけ(行動変容)にある」とし,行動科学の目的を「医療者としての人間性教育,人の行動に関する理解,人と人の関係性に関する理解,医療安全を常に念頭において行動できる医療人の養成」としてカリキュラムを編成している。早期体験学習と行動科学に共通する要素として「人として,医学生として,そして医師としての態度の醸成」と「コミュニケーション能力の修得」がある。「態度の醸成」については,早期体験学習では「人として,医学生としての態度の醸成」に重点をおき,行動科学では「医学生としての態度の醸成」に重点をおいて授業を配置している。「コミュニケーション能力の修得」については,コミュニケーションの基本を理解したうえで体験的に理解できるように,2021年度から行動科学と早期体験学習の授業を関連付け,双方に「コミュニケーション能力の修得」を目的とした授業を配置する。今後の課題は,早期体験学習及び行動科学の各テーマを評価し,目標とする学習成果を得るために授業を改善し,より有効なカリキュラムを編成していくことである。

  • 関口 進一郎
    2021 年 52 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    共用試験は,医学系の大学,学部が学生の能力と適性について全国的に一定水準を確保するための全国共通の標準試験である。この試験によって学生の質を保証し,社会や国民に示す目的がある。杏林大学医学部の学生が受ける共用試験のうち,第4学年後期の臨床実習開始前に受験するCBTはコンピュータを用いた医学的知識の試験である。また,診療参加型臨床実習前OSCEは医療面接と基本的な身体診察の技能,態度とが評価される試験である。この2つの試験に合格すると,Student Doctorとして臨床実習への参加が許可される。一方,第6学年の診療参加型臨床実習後OSCEは,医学部を卒業し,臨床研修をスムースに開始できる臨床能力を修得できているかが測定される試験である。ある症候をもつ患者への医療面接,身体診察,指導医への症例プレゼンテーションの一連の流れが一つの課題となる。その成績は卒業判定資料の一部となる。CBTとOSCEの試験運営は各大学に任されているが,共用試験機構からの機構派遣監督者,他大学からの外部評価者によって試験が厳正かつ公正に実施されているかどうかが確認,評価される。CBTやOSCEの実施は,医学教育センターの教員のみならず各教室の教員,医学部事務課の職員など多くの方々の理解と協力の上に成り立っている。臨床実習前のCBTとOSCEについては今後,公的化される方向が示されており,準国家試験的な性格の試験となることが予想される。

  • 矢島 知治
    2021 年 52 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    臨床実習を中心に,本学の臨床医学教育におけるこの数年の取り組みを概説した。
    M4秋から1年間行われるBSL(Bed side learning)では評価項目を明示することで学習効率を高め,フィードバックを重んじることで学生の成長を促している。また,ローテーション順番に工夫を凝らし,ポートフォーリオを導入することにより学習効果の更なる向上をはかっている。M5秋からのクリニカルクラークシップでは質量ともに十分な診療参加型実習の実施を目指し,多くの学外施設の協力を得ながら実習環境の整備に努めている。
    令和2年のコロナ禍においては平常時とは異なる教育が求められたため,M4からM6を対象としてオンラインでの双方向性症例検討を展開した。個別のフィードバックを繰り返すことで目的通り論理的思考を涵養できることが確認されたため,今後は平時の教育にもそうした要素を組み入れていく予定である。
    臨床実習開始前の診断学実習はM4でのみ実施されてきたが,表面的な習得にとどまることが課題であった。学びを深めるため,事前学習を促すとともに,診断学実習の導入部分を低学年に移行し始めている。基礎医学や臨床の座学の学習補助にもなることに加えて,低学年での学習意欲が高まることも期待される効果である。
    本学ではこうした取り組みを打ち出しながら,本学の使命である「良き医師の養成」を高いレベルで実現しようとしている。

  • 冨田 泰彦
    2021 年 52 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2021/03/29
    ジャーナル フリー

    2002年医師法第16条の2第1項に規定する厚生労働省発令で,2004年必修の医師新臨床研修制度が開始された。医師としての人格育成,プライマリー・ケアの基本的な診療能力の修得,アルバイトせずに研修に専念できる環境を整備することが基本方針となっている。その後2010年と2020年に見直しされた。この制度に伴い,医師臨床研修マッチング協議会が設立され,全国で公平な応募と選考がなされるマッチング制度が出来た。この制度で母校以外の研修施設を選択することが体制的かつ心理的に容易になり,大学病院以外の臨床研修病院での研修希望者が増加しつつ都市部に集中する傾向があり,2010年から都道府県ごとの定員の調整がなされた。この初期臨床研修の効果として,研修医の幅広い臨床能力修得という目的は達成され,研修医の満足度は高い。また2007年よりNPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)よる各施設の初期臨床研修自体の第3者評価制度が開始された。後期専門研修では,各診療科領域での質の担保という観点から2018年より日本専門医機構による新専門医制度が19基本領域とサブスペシャリティー領域23領域で開始された。これに伴い付加的な地域偏在や診療科間の医師偏在に対して,領域別に採用数の上限設定をするシーリング制度が設けられた。まだ4年目の制度であり,様々な意見や提言が存在し,今後の動向を注視すべき段階にある。

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