杏林医学会雑誌
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特集「最新の循環器診療」Part2 補遺
致死性不整脈の非侵襲的予後予測
三輪 陽介
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2015 年 46 巻 2 号 p. 169-172

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抄録
 心臓突然死の予防は,心筋梗塞後や拡張型心筋症など基礎心疾患を伴う患者において危険性が高く,疾患罹患患者が多いことから,臨床的に重要な課題である。近年,植込み型除細動器による,心臓突然死予防に対する有用性が確立されている。一方で,医療経済的側面,患者負担の側面から,その適応にはリスク層別化が必要である。
 二次予防が確立されつつある今,一次予防が重要であり,標準的にリスク層別化に用いられている左室駆出率だけでは十分とは言えないこと,侵襲的でスクリーニングに不向きである電気生理学的検査に加え,非侵襲的かつ効果的にスクリーニングが可能な診断方法が必要とされている。
 心室遅延電位,T wave alternansやheart rate turbulenceをはじめとした非侵襲的検査でのリスク層別化の取り組みについて我々の検討結果を含め最近の知見を報告する。
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© 2015 杏林医学会
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