2019 年 50 巻 1 号 p. 37-45
胸骨骨髄炎・縦隔炎(DSWI)は開心・大血管術後合併症の1つである。DSWIは高い合併率ではないが,難治性,かつ,死亡率の高い疾患である。CDCガイドラインに則り手術部位感染対策が行われているが,その発症を皆無にすることはできない。現在,DSWIに対する治療ガイドラインはなく,各施設において検討された治療が行われている。しかし,DSWI治療方法の共通した重要点は,(1)DSWI重症度判定,(2)重症度別の創部郭清,(3)胸壁再建,(4)心嚢内人工物再建 である。
本稿では,DSWIの診断,管理,および,形成外科学との連携した治療戦略について解説し,当院におけるDSWI治療の特色について述べる。