杏林医学会雑誌
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特集『脳卒中の最前線』
脳機能修飾を目指した非侵襲的脳刺激法
田代 祥一
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2021 年 52 巻 4 号 p. 239-243

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抄録

 ニューロリハビリテーション領域では,非侵襲的脳刺激法を用いて脳の可塑性の誘導,学習の向上,皮質興奮性の増加などを介してリハビリテーションの効果を改善させる試みが行われている。電流を用いた経頭蓋直流電気刺激(tDCS),経頭蓋交流電気刺激(tACS),磁気刺激により発生する誘導電流を利用する経頭蓋磁気刺激(TMS)のうち,パターン化された高頻度刺激を用いるシータバースト刺激法や四連パルス刺激法といった方法について研究が進められている。臨床応用の障壁となっている効果の個人差の克服のため,精密刺激手技がさまざまに工夫され,またニューロイメージング法の併用による効果の可視化が図られている。本稿では,ニューロリハビリテーションとそれぞれの非侵襲的脳刺激法を概説する。

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