1983 年 57 巻 8 号 p. 725-732
大阪府豊能郡豊能町で採集したヤマコウバシ根部のエーテル抽出物より新規セスキテルペンカルボン酸〔I〕を単離しその構造について検討した.新規物質はメチルエステル〔II〕として単離して,水素化アルミニウムリチウム-塩化アルミニウムで還元して対応するアルコール〔VII〕に導き,さらに, Birch還元を行って対応する炭化水素として,α-guaiene〔VIII〕を得た.
この結果から,新規物質はα-guaieneと同一の立体配位をとるセスキテルペンカルボン酸で, glaucic acidと命名した.なお,合せてaciphyllic acid〔IX〕の存在も明らかにした.