日本農芸化学会誌
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レモン果皮中のフラボノイド配糖体の構造および血圧降下作用
隈元 浩康松原 義治飯塚 義富村上 哲男岡本 耕造三宅 英夫横井 勝美
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1984 年 58 巻 2 号 p. 137-143

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抄録

レモン果皮熱水抽出物の有機溶媒による抽出分離,塩基性酢酸鉛による沈殿法,ゲル濾過(TSK-ゲルHW 40 F),シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分離,精製法によって7成分のフラボノイド配糖体を単離した.各成分の構造はUV, 1H-NMR, 13C-NMRおよびMSならびに糖分析で,リモシトリン-3-〔6-O-α-L-ラムノシル-β-D-グルコース〕〔1〕, 6, 8-ジ-C-グルコシルアピゲニン〔2〕,リモシトロールー3 β-D-グルコース〔3〕,エリオシトリン〔4〕, 2', 3', 5, 5', 7-ペンタヒドロキシフラバノン-7-〔6-O-α-L-ラムノシル-β-D-グルコース〕〔5〕,リモシトリン-3β-D-グルコース〔6〕およびルテオリン-7-〔6-O-α-L-ラムノシル-β-D-グルコース〔7〕と決定した.さらに各成分のSHR-SPに対する静,脈内投与による血圧下降を測定した結果〔2〕にとくに顕著な降圧作用が認められたほか〔3〕にも強い降圧作用が認められた.なお今回単離,構造決定した〔1〕および〔5〕は文献未記載の新規フラボノールおよびフラバノン配糖体である.

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