抄録
本研究の目的は,音波歯ブラシのプラーク除去効果の検討を目的に行なった。また,音波歯ブラシ使用に関する指導用教材(自家作製DVD)視聴による音波歯ブラシの効果に対する影響についても併せて検討した。被験者は,昭和大学歯学部学生28名(男性14名,女性14名,平均年齢24.1±1.8歳)とし,ブラッシング前後のPlaque Control Record(PCR)およびプラーク除去量を手用歯ブラシ群と音波歯ブラシ群間で比較した。その結果,実験開始後1,2週間では音波歯ブラシ群と手用歯ブラシ群との間で有意な差は認められなかったものの,5ヶ月後の測定では,音波歯ブラシ群は手用歯ブラシ群に比較して有意なPCR減少率とプラーク除去率(p<0.05)を示した。しかし,音波歯ブラシ指導用教材によるプラーク除去効果に対する影響は認められなかった。以上の結果から,音波歯ブラシを使って高いプラーク除去効果を得るためには,一定期間の使用による習熟が必要であることが示唆された。