日本歯周病学会会誌
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原著
  • 茂手木 義男, 濱島 秀徳, 華岡 眞幸, 岡本 行人, 三澤 一男, 谷 博一, 岡田 菜穂子, 宮澤 康, 櫻井 千里, 高木 智幸
    2024 年 66 巻 1 号 p. 17-28
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/06
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    解剖学の差(歯種の違い)と歯周炎進行の関係性を確認する目的で,本研究ではAmerican Academy of Periodontology/European Federation of Periodontology の歯周炎新分類において歯種間でClassification に差が生ずるか調べた。

    5年間にわたり,日本人の歯周炎患者1,375名ののべ被験歯数99,277歯についてCAL値,PD値,歯の喪失本数,歯の動揺度を検査し,上下類,左右側間,及び歯種間(前歯,小臼歯,大臼歯)でStage,GradeのClassificationの被験歯数を比較した。

    被験歯数は上顎と下顎の間に,さらに前歯,小臼歯,大臼歯の間に差が認められた。だが,左右側間では大きな差は認められなかった。歯周炎の進行は,他の歯と比べて上顎歯及び大臼歯においてより顕著であった。

    歯周炎新分類において部位および歯種間で歯周炎の進行に差が見られた。

  • 酒寄 智央, 伊藤 弘, 沼部 幸博
    2024 年 66 巻 1 号 p. 29-42
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/06
    ジャーナル フリー HTML

    歯周病患者の歯周ポケットにおいて,好中球細胞外トラップ(NETs)が観察されるが,歯周病原細菌によりNETsが発現するメカニズムは解明されていない。そこで本研究は,Porphyromonas gingivalisのリポ多糖(PG-LPS)によるNETs発現とToll-like receptor(TLR)の関係を解明することを目的とした。末梢血好中球を,PMA,PG-LPS,Escherichia coli LPS(EC-LPS)で刺激した。また,好中球に発現するTLRを阻害した後,同様に上記物質で刺激した。SEM,蛍光免疫染色により観察し,細胞外DNA量,好中球エラスターゼ(NE)量を測定した。その結果,SEM像において,好中球から糸状の構造物の放出を確認した。蛍光免疫染色像において,糸状の構造物がDNA,ヒストン,NEにより染色されていることが確認され,NETsであることを確認した。細胞外DNA量とNE量も,コントロールと比較して有意な増加が認められた。また,TLR2およびTLR4を阻害した場合はPG-LPS刺激においてNETs発現の低下が観察された。本研究の結果から,PG-LPSが,TLR2およびTLR4を介してNETs発現を誘導することが示唆された。

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