日本歯周病学会会誌
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現代日本人乾燥頭蓋における歯槽骨の厚さおよび形態について
江澤 敏光
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1984 年 26 巻 2 号 p. 243-256

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抄録

現代日本人乾燥頭蓋96個体192顎において歯槽骨の厚さ, 槽間中隔部の頬舌方向の形態およびCEJ-歯槽骨頂間距離と年齢との関連について調査検討した。その結果1. 上下顎とも中切歯から第1小臼歯までの唇・頬側歯槽骨にはきわめて薄い部分があり, 歯槽骨縁から根尖に向うにしたがい一度薄くなり再びその厚さを増す傾向がみられた。また舌側歯槽骨は徐々に厚さを増す傾向が見られた。2. CEJ-歯槽骨頂間距離と年齢 (16~29歳) との間には統計学的にほとんど相関がみられなかった。3. 槽間中隔を含む歯槽骨の唇・頬側から舌側方向の形態において性差はみられなかった。4. 槽間中隔の形態は, 唇・頬側から舌側に, 上下顎とも前歯部ではなだらか-凸-なだらかの形態が最も多いが, 臼歯部では多様な形態がみられた。5. 槽間中隔上縁の形態は前歯, 臼歯および年齢による違いが見られた。

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