日本歯周病学会会誌
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スクラッビング法における種々の歯ブラシのプラーク除去効果とブラッシング圧に関する研究 (第4報)
- 柄の弾力性と毛の直径の異なるナイロン毛歯ブラシについて-
東海林 良彦谷下田 昭夫福島 将人鈴木 丈一郎渡辺 一郎渡辺 孝章権 寧赫新井 高中村 治郎
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1988 年 30 巻 2 号 p. 566-575

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抄録

スクラッビング法に適した歯ブラシについて, 第4報として柄の弾力性と毛の直径の違いがブラッシング圧とプラーク除去効果に与える影響について比較検討した。
今回は, 第1報から第3報の結果を考慮して, 毛の材質はナイロン毛, 先端形態はラウンドカット, 毛の長さ10 mm, 植毛部の長さ25mm, 毛束配列3列26毛束, 柄の形態はストレートに統一し, 柄の弾力性 (ポリエチレン樹脂: 弾性率4, 500kgf/cm2, ポリプロピレン樹脂: 弾性率9, 400kgf/cm2, アクリロニトリルースチレン樹脂: 弾性率38, 000kgf/cm2) と毛の直径 (0.15mm, 0.20mm, 0.25mm) の異なる9種類の歯ブラシを試作した。被験者9名にスクラッビング法によるブラッシングを行わせ, 前後のプラークのスコアーを測定し, プラーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を用い測定した。
その結果, ブラッシング圧は, 歯ブラシの毛の直径が太くなるに従い高くなり, 0.15mmと0.25mm, 0.20mmと0.25mmとの間に有意差 (p<0.01) を認めたが, 3種類の柄の間では有意差は認められなかった。
プラーク除去率は, 3種の毛の直径および3種の柄の間には有意差は認められなかった。

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