日本歯周病学会会誌
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茶葉成分含有含嗽剤のプラーク形成, 歯肉炎進行ならびに口臭抑制に対する効果について
音琴 淳一佐藤 秀一五十嵐 建夫織井 弘道難波 幸一森谷 良智伊藤 公一村井 正大瀧原 孝宣角田 隆巳
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1995 年 37 巻 4 号 p. 676-684

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抄録

茶葉の可溶成分であるカテキン類を含む含嗽剤は, 化学的プラークコントロールとして, 実験的歯肉炎発症の予防効果があると報告されている。そこでカテキン含有含嗽剤単独使用によるプラーク形成抑制, 歯肉炎の進行抑制ならびに口臭抑制効果について検討した。被験者は全身的疾患のない22歳から48歳までの成人42名とした。試験7日前に臨床検査と共に口腔内のプラークおよび歯石を除去した。試験開始前7日間は通常のブラッシングを行った。カテキン群は茶カテキン1.0%含有含嗽剤を, コントロール群はカテキンから茶エキスのみを除いた含嗽剤を使用した (1日3回, 10ml, 30秒間含嗽) 。試験開始後7日間は機械的プラークコントロールを中止させ, 含嗽のみとした。2種類の含嗽剤使用は二重盲検法で行った。臨床パラメーター (PlI, GI, GCF, 口臭) およびポケット内細菌の採取は試験0, 3, 7日目に行った。その結果, 茶カテキン含有含嗽剤は口臭の抑制効果を示した。PlI, GI, GCFはカテキン群の方が低い値を示したが, 統計学的有意差を認めず, 茶カテキン含有含嗽剤はプラーク形成の抑制, 歯肉炎の進行抑制についてはその傾向を示すのみであった。

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