日本臨床外科学会雑誌
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肝嚢胞腺腫の3例
真鍋 達也武田 成彰阿部 祐治西原 一善勝本 富士夫
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キーワード: 嚢胞腺腫, 腫瘍性嚢胞
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2001 年 62 巻 4 号 p. 1002-1006

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抄録
肝嚢胞性疾患の中で,肝嚢胞腺腫は肝嚢胞腺癌への移行が知られ,その治療法は嚢胞完全切除と非腫瘍性嚢胞と大きく異なり,両者の鑑別は非常に重要である.今回われわれは多房性嚢胞で腫瘍性嚢胞を疑い,切除した嚢胞腺腫3例を経験した. CT, USにて2例に石灰化,血管造影にて2例に実質相での濃染像を認めたが,組織学的に悪性所見はなかった. 3例とも緻密な細胞間質,いわゆるovarian-like stromaを伴わず, cystadenoma with mesenchymal stroma (CMS)とは異なるものであった.腫瘍性嚢胞が疑われる場合は嚢胞完全切除を行うべきである.
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