48歳,女性.右乳癌加療中に膵嚢胞性病変を指摘された.超音波検査で膵尾部に5-10mm大の嚢胞性病変を数個認め, CT検査では石灰化を伴う隔壁有する20mm大の嚢胞性病変を認めた. ERCP検査では乳頭は正常,主膵管は尾部で拡張するも嚢胞との交通は認められなかった.粘液嚢胞性腫瘍を疑い腹腔鏡補助下膵体尾部脾切除術を施行した.右半側臥位とし臍部,左季肋下にトロッカーを4本挿入した.膵尾部に嚢胞性病変を認め,脾および膵体尾部を十分に授動した後に正中部に7cmの開腹をし,リンパ節郭清後に膵体尾部脾を創外に導出し脾血管および膵離断を施行した.病理組織学的検索でma-crocystic serous cystoadenomaと診断した.