日本臨床外科学会雑誌
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内視鏡下生検部から出血をきたした巨大な十二指腸GISTの1例
福田 直也平 康二菱山 豊平近藤 哲加藤 紘之
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2006 年 67 巻 7 号 p. 1563-1566

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抄録

75歳,男性.右季肋部痛を自覚し,近医受診の結果膵頭十二指腸領域に巨大な腫瘤を認め,当院入院・精査となった.腹部CTでは嚢胞性部分と充実性部分を有する14×13cmの腫瘤により肝,胆嚢は圧排されていた.胃内視鏡では十二指腸乳頭側に粘膜下腫瘍様の隆起を認め,生検の結果schwannomaが疑われた.生検後,同部位に潰瘍を形成し,輸血を必要とする程の出血を認めた.内視鏡下止血,動脈塞栓術を施行するも出血が持続し,準緊急的に膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本から十二指腸原発のGISTと診断された.出血を伴った巨大GISTの報告は稀である.出血コントロールに難渋する場合があるため,生検には十分な注意が必要と考えられた.

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