皮膚
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ウサギクローズドパッチテスト
濱田 俊昭水谷 宏安部 隆小川 史丈奈蔵 利彰倉本 正人
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1984 年 26 巻 5 号 p. 1084-1091

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抄録

我々は, 化粧品原料の皮膚一次刺激性試験法の比較研究の一環として, ウサギクローズドパッチテストを実施した。試験試料として多価アルコールであるプロピレングリコール, 1, 3一ブチレングリコール, グリセリンと炭化水素である流動パラフィン#72, スクワラン, プリスタンを用い3施設において, 同一プロトコールに従って実施した。その結果は, 以下の通りであった。
(1) 明らかな反応を示したのは, 多価アルコールではプロピレングリコールのみであり炭化水素についてはプリスタンのみであった。
(2) 刺激の強さの順位は, 多価アルコールではプロピレングリコールが最も強く, 1, 3一ブチレングリコールとグリセリンの間に差はなく弱い刺激であった。また, 炭化水素ではプリスタンが最も強く, 流動パラフィン#72とスクワランの間に差はなく, 弱い刺激であった。
(3) プロピレングリコールは100%にのみ強い反応を示し, 30%以下の濃度では反応を認めなかった。
(4) 施設間で試験成績に差はあったが, 刺激の強さの順位に変わりはなかった。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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