膵臓
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症例報告
10年以上の生存が得られた退形成性膵管癌の3切除例
三枝 庄太郎世古口 務栗山 直久湯淺 浩行井戸 政佳伊藤 史人山碕 芳生野田 雅俊
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2005 年 20 巻 1 号 p. 46-54

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抄録

退形成性膵管癌は発見時には巨大な腫瘍であることが多く, 周囲浸潤や他臓器転移を来しやすく, 通常の膵管癌に比して予後が悪いことが知られている. しかし今回, 我々は退形成性膵管癌切除後10年以上の生存例を3例経験したので報告する.
症例1 : 65歳男性. 発熱で発症し, 膵尾部に約10cm大の造影効果のある腫瘍を認め, 脾合併膵体尾部切除術を施行. 退形成性膵管癌, 多形細胞型と診断, 術後10年1カ月後急性心筋梗塞にて死亡.
症例2 : 65歳男性. 急性膵炎で発症し, 膵頭部に約6cm大の造影効果のない腫瘤を認め, PPPDを施行, 退形成性膵管癌, 多形細胞型と診断, 術後11年1カ月の現在無再発生存中.
症例3 : 49歳男性. 閉塞性黄疸で発症し, 膵頭部に約4cm大の充実性腫瘤を認め, 既往歴として胃切除がなされていたためPDを施行, 退形成性膵管癌, 破骨細胞型と診断, 術後11年1カ月の現在無再発生存中である.

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© 2005 日本膵臓学会
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