膵臓
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症例報告
腎細胞癌術後8年目に膵転移をきたした1例―dynamic CTの有用性を中心に―
浜本 哲郎高野 友爾井上 雅之野口 美智子大村 宏堀 立明鶴原 一郎蘆田 啓吾角 賢一村田 陽子柳 宏司中村 希代志
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キーワード: 腎細胞癌, 膵転移, dynamic CT
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2007 年 22 巻 6 号 p. 710-716

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抄録
症例は75歳,男性.8年前に腎細胞癌で右腎摘出術を受けている.スクリーニングの腹部超音波検査で膵に腫瘤を認め,dynamic CT,血管造影などで同部に血流の豊富な腫瘍を確認した.腎細胞癌の膵転移を疑い,膵頭十二指腸切除術を施行し,病理学的に腎細胞癌の膵転移と確定診断した.本例では2ヶ月前に造影conventional CTが行われていたが,造影前後でいずれも腫瘤が等吸収で,かつ,腫瘍が膵内にとどまる大きさであったため,発見できなかった.腎細胞癌手術後の膵転移の早期発見のためには,超音波検査に加えて,dynamic CTによる経過観察が必要と思われた.
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© 2007 日本膵臓学会
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